太く短い穂が特徴的で、ぼかしの表現用として良く知られる筆です。 太短く、密に仕上げられている様子は、頬紅をさすときに使う化粧筆の感じと似ています。含みの良い羊毛、弾力のある馬毛と狸毛がたっぷりと水気を含みます。細かい部分を塗ったりシャープなラインを引くことは苦手ですが、ぼかしの表現には抜群の筆です。作品を立体的に、表現豊かにしてくれるこの筆は、水墨画(墨彩画)や日本画に欠かせない筆として人気が高く、また独特の線を生み出す筆としても使われます。 大・中・小いずれも良く出ますが、やはりはじめに選ぶなら中が無難です。大は大ぶりな表現に、小は細かくぼかしを出したいときにそれぞれ個性を発揮しますので、大中小そろえると表現の幅が広がります。
彩色筆と並んで、ジャンルを超えて幅広い創作に用いられる面相筆は、機能性のよさと素晴らしい使い心地で人気の高い筆です。呼んで字のごとく、顔の部分や髪の毛などの繊細且つ微妙な表現を可能にするために厳選された素材を使っています。イタチの毛を採用しているのは、毛先に弾力があって良くまとまり、腰としなやかさがバランスよく、絵具の含みも良くいためです。まるで自分の指先のように思うように緻密な作業ができる、これが面相筆の身上です。最後の仕上げこそ、間違いの無い筆で。 大・中・小それぞれ良く出ます。大は比較的大きい部分を塗れますし、線も一気に長く引けます。中は一番使いやすい。小は細かい細工をするときに、作画だけでなく工芸分野でも良く使われます。