マリオ・ジャコメッリ写真集 -黒と白の往還の果てに- 寡黙なる宿命の大地、虚無と孤独、実存を突き刺す深淵の世界... 1950年代から写真を撮り始め、2000年にその生涯を閉じたジャコメッリ。 モノクロームと強烈なコントラストで、「生」と「死」を往還する作品は、見るものを遥か記憶の彼方へと連れ出し、心奥に圧倒席な残像をもたらす。 〈主な収録作品〉 スカンノ 死が訪れて君の眼にとってかわるだろう 死が行く大地 夜が心を洗い流す 日本語翻訳:岡本太郎、ほか B4変 (270×285MM/256頁/上製
QUINAULT [クウィノルト] 上田義彦著 アメリカインディアンによって名づけられた「バージン」の森、QUINAULTを8×10のカメラで捉えた。 生命体とその残骸が、明滅するカオス、森の深奥の「出来事」を瞬間切り取る奇跡。 言葉が消え去る世界との邂逅。 B4判/82頁/並製
イタリア写真の精粋 -激動期の肖像 イタリアにおける第二次世界大戦後の1945年から1975年という時代は、日本と同様、社会・政治・経済的変動が激しく、雑誌などの印刷物による情報は社会に大きな影響を与えた。 本書では、当時活躍した70余名の写真家を精選収録、イタリア写真史を概観するものである。 監修:パオロ・モレッロ(ヴェネチア・ルアブ大学教授) 日本語翻訳:岡本太郎 A4変/288頁/上製
YUME(ユメ)上田義彦著 穏やかな空気、美しい時間、静謐なひととき... 僧侶の纏う深紅の衣、群青に染められた壁面、外界を隔てる木々の湿った緑、まるで時が止まったかのような絵画的な光景。 ミャンマーの由緒ある僧院、サク寺院。 上田義彦撮りおろしによる衝撃の未発表作品。 アートディレクション:山形季央 B4変(280×260mm)/80頁/上製
鎌鼬 [新装普及版] 写真:細江英公 舞踊:大野一雄 序文:瀧口修造 随筆:ドナルド・キーン 詩:三好豊一郎 鎌鼬讃:高橋睦郎 造本:田中一光 B4版/112頁/上製
FairyTale老少女綺譚 やなぎみわ著 2000年から手掛けてきた「マイ・グランドマザーズ」に続いて発表した「寓話シリーズ」の完全版。 「赤ずきん」「白雪姫」グリム童話やアンデルセン童話など、名作寓話を下敷きにしたモノクロームの世界は、特殊メイクの老女と無慈悲な少女が繰り広げる、おどろおどろしくも耽美的な世界。 やなぎみわならではの密やかで奇妙なおとぎ話。 A4変/96頁/上製
仏師に聞く 仏像彫刻教室 高井琮玄著 仏手、印相など、外形、部位、衣の着方までやさしく指南。説明書だけではわかりにくい、像の削りの深さや浅さ。 教室で繰り返し質問を受ける内容が即座に解消します。さまざまな角度からカラー写真を駆使した画期的な一冊。 写真:亀川秀一郎 A4変/136頁/並製
LIMEWORKS 畠山直哉著 木村伊兵衛賞をはじめ、ヴェネチア・ビエンナーレへの参加など、現代写真の第一人者として国内外で精力的な活動を続ける畠山直哉。 本書は、1986年より日本各地の石灰岩や鉱山を取材した連作。 初版から12年を経て遂に刊行されたファン待望の一冊。 B4変/120頁/上製
写真家 細江英公の世界 球体写真二元論 「おとこと女」「薔薇刑」「鎌鼬」「抱擁」など、1960-1970年代の写真界を代表する名作を収載。 日本の戦後写真に新たな地平を切り開き、数々の名作、問題作を世に送り出した写真家・細江英公。 1960年代の「おとことおんな」や「薔薇刑」「鎌鼬」、70年代以降の「抱擁」や「ガウディの宇宙」など。 本書では、初期から現代までを通観し、時代ごとに衝撃的な作品を発表しつづける細江英公の写真世界を考察する。 寄稿:金子隆一、神保京子、ジョン・ウッド A4変/160頁/並製
上村松園画集 -美の精華- 監修:平野重光 至高の美人画 -その誕生の軌跡 明治8年、京都に生まれた松園は、気品に満ちた美人画を描き続け、昭和23年、女性初の文化勲章の栄誉に輝きました。 格調高い近代美人画は日本画壇史に燦然たる光芒を放ち、その清楚にして典雅な絵画世界は、今日もなお、多くの人々に深い感銘を与えています。 本書では、代表作を全国に取材し、松園芸術の軌跡を辿ります。 序文:上村淳之 解説:鬼頭美奈子、青山訓子 寄稿:志村ふくみ、杉本秀太郎 A4変/160頁/並製
MAGNUM MAGNUMコンパクトバージョン マグナム創設60周年記念出版 [完全日本語版] ロバート・キャパやカルティエ・ブレッソンらが、写真家集団「マグナム・フォト」を結成したのは1947年。写真家の自立と著作権の確立を求めて始まった。 誰も見たことがない決定的瞬間を求めて世界を駆け巡る、個々の写真家の具体的で強烈なまなざし。 本書は、豪華版の魅力をそのままに凝縮した、1/3サイズのコンパクト版。 日本語翻訳:小林美香 B4変(255×205mm)/568頁/上製
仏師に聞く 仏像彫刻教室 〈続〉 高井琮玄著 ひと目でわかる仏像彫刻入門書、待望の続編! 目、鼻、口、仏頭などの部分から全体像まで、仏像彫刻の掘り方を様々なアングルから撮影、視覚的にひと目ですべてがわかる待望の教科書。 読者の疑問を即座に解消する画期的な一冊。 写真:亀川秀一郎 〈目次抜粋〉 □部分を彫り進める:仏頭粗彫、目、鼻、口、耳ほか □全体を彫り上げる:阿弥陀如来、十一面観音像、四天王ほか □名作に学ぶ:阿弥陀三尊(松久宗琳作) A4変/136頁/並製
ataraxia [アタラクシア] 写真:岡田敦 歌:伊津野重美 長時間露光によって蒼い海に白い波が渦巻く。神秘的な美しさが底なしの静謐を湛える。自然の生命のうねりを写し撮った幻想的な光景。 タイトルは古代ギリシャの哲学者、エピクロスの思想で精神的な快楽を意味する。 木村伊兵衛賞受賞後第一作。 アートディレクション:原拓郎 B4変(255×257mm)/72頁/上製
着倒れ方丈記 HAPPYVICTIMS 都築響一著 日本のリアリズム。混沌と欲望の小宇宙。 シャネル、グッチ、エルメス、マルジェラ......。 様々なブランドに覆われた部屋の収集品の累々を取材。 食費を削ってでも収集したいというお気に入りのブランドが混在する空間とこだわりの光景。 85点の写真に加え、「着倒れ人」たちの心の断片を綴ったそれぞれのテキストも一層興味をそそる。 雑誌、「流行通信」で7年間に亘り連載、待望の書籍化。 B5判/176頁/並製
四大浮世絵師 -冩楽・歌麿・北斎・広重 強烈なデフォルメで一瞬のしぐさを表現した東洲斎写楽。 成熟した女性の色香を写して、一世を風靡した喜多川歌麿。 常に新しい表現に挑戦し続け、画狂人と謳われた葛飾北斎。 詩情豊かに、四季折々の風景画や名所絵を描いた安藤広重。 4人の代表作170点を一堂に収録し、詳細な解説を付す。 解説・寄稿:小林忠、浅野秀剛、中右瑛 A4判/224頁/上製
非常階段東京 TokyoTwilightZone 佐藤信太郎著 黄昏に浮かび上がる雑然として町並み、さまざまな表情。新しいものと古いものが同時にうごめき最も美しい姿を現す瞬間。 大都市東京から放たれる底知れぬエネルギーを幻惑的かつリアリティにとらえた快作。 自然光と人工光が妖しく混ざりあう、東京の最も美しい表情がここにある。 2009年度「日本写真協会賞新人賞」受賞 寄稿:塚本由晴 B4判/88頁/並製
Flutteringfaraway/遠くの羽音 村瀬恭子著 ドイツデュッセルドルフを拠点に制作を続ける村瀬恭子。 少女像を中心に据えた具象作品でありながらも、その筆致はときに滑らかに、ときには鋭くカンヴァスを走り、わたしたちの身体感覚に訴えかける。 本書では、少女が水にたゆたう初期の作品から代表作まで、さらに新作10点のドローイングなど、70点余を一挙掲載。 編集:豊田市美術館 寄稿:福永信 解説:平野千枝子、鈴木俊晴 アートディレクション:山本誠 A4変形/128頁/並製
束芋 断面の世代 自らの世代感と団塊の世代とを比較して「断面の世代」と命名。団地空間を断面化した〈団地層〉や、吉田修一の新聞小説「悪人」の登場人物をモチーフとした〈油断髪〉など新作5点の大型インスタレーションのすべてを掲載。監修:横浜美術館、国立国際美術館 対談:束芋×吉田修一 アートディレクション:松永路 A4判/136頁/並製
祝福の美 めでた尽くし 長寿と繁栄を願う吉祥のシンボル 古来より、日本人は平和や幸せが続くことを願ってきました。 人々の幸せを願い、祝う気持ちは、年中行事や神事祭礼としていまも脈々とわたしたちの日々の生活に受け継がれています。 本書は、繊細な美意識により生み出された様々な美術工芸品を全国の美術館、博物館に取材。 絵画、屏風、浮世絵、陶磁器など、幅広い文化のなかから、吉祥というおめでたいモチーフを厳選し収録するものです。 解説:狩野博幸 A5判/240頁/並製
WINDSWEPTWOMEN-老少女劇団 やなぎみわ著 風を孕んだ帆のような形の黒テントで覆われた日本館の外観。 コンピューターグラフィックや特殊メイクを使った「老少女」たちの写真を、4メートルのフォトスタジオに収めた迫力ある作品。 著者が表現してきた生死や老若のテーマがひとつの到達点を示したともいえる力作。 写真:宮本隆司 解説:南嶌宏 アートディレクション:木村三晴 A4判/80頁/上製
HEAVEN 都築響一と巡る 社会の窓から見たニッポン 都築響一著 カラオケ・スナック、秘宝館、イメクラ、改造車、賃貸部屋-めくるめく都築ワールドの集大成! 寄稿:松岡剛 アートディレクション:坂哲二 B6判/352頁/並製
色の知識 名画の色・歴史の色・国の色 城一夫著 世界中を旅するように集めた、550色のカラーパレット。フェルメールやモネ、ベラスケスなど、西洋絵画の巨匠たちが好んで使用したカラーパレットや、西洋を中心とした世界30カ国の色彩風景、さらには、建築物や陶磁器に由来する色名などを広範囲にわたり採集。目に見える具体的な「色名」で表した、画期的な「カラー事典」です。※全ての色票に、色の由来と、CMYK・RGB・マンセル値を掲載。※美術、歴史、デザインの資料として最適な「色彩の手引書」 A5判/224頁/並製
リテリング フェルトアートの世界 インゲル・ヨハンネ・ラスムッセン、若井浩子共著 豊かな色彩、暖かい質感が魅力のフェルトアート。 北欧・オスロで制作活動を続ける、インゲル・ヨハンネ・ラスムッセン。 まるで水彩画のような滲みや淡いグラデーションは一見、テキスタイルアートとは思えないほどの鮮やかさ。 創作のプロセスやアーティストの日常をエッセイとともに紹介する好著。 A5横/116頁/並製
昭和フォーク&ロック音楽堂 中村よお著 1970年代に発表された日本のフォーク・ロックの名アルバムを厳選した153枚。 この時代の音楽をリアルタイムで聴き、また実際に彼らと同じステージに立ったこともある著者の、味わい深いエッセイと、懐かしいレコードジャケットが時代の空気を鮮やかに伝えます。 A5判/140頁/並製
日本のファッション -明治・大正・昭和- 解説:城一夫 イラスト:渡辺直樹 明治維新から「NANA」まで、140年間のファッションがいま蘇る。日本のストリートファッションは、いまや世界が注目するほど独自の進化を遂げています。本書はめまぐるしく変化するモードの特徴を捉え、ディティールまで再現して、当時の流行を手にとるように伝えます。【主な内容】イラストで見る日本のファッション日本の流行色一覧日本の流行色解説日本のファッション解説日本のファッション年表 B6判/330頁/並製
江戸のダンディズム 河上繁樹著 源頼朝から武田信玄、坂本龍馬に至るまで、日本男子はダンディだった。 当世具足に陣羽織。剛毅が輝く戦場ファッション。 装剣の意匠にモダンな小袖。 色道指南に遊里で粋を競う男たち。 豊富な資料が物語る男の美学。 B5判/116頁/並製
江戸の遊戯 並木誠士著 庶民パワーが勢いを増す江戸時代、庶民層のなかに広く浸透した江戸の遊戯。 婚礼調度としても重用された「貝合わせ」、南蛮の影響を受けて発展した「かるた」「すごろく」 。貴重な資料から紐解く江戸の豊穣。 B5判/112頁/並製
動物奇想天外 内山淳一著 江戸時代には象や駱駝をはじめとした多種多様な動物が中国船やオランダ船に乗ってやってきた。 若沖、応挙、芦雪に北斎など、出自も経歴も多彩な作家たちが、個性的な画風を競い描いた江戸のワンダーランド。 B5判/116頁/並製