石油より精製した揮発油。樹脂の溶解や油のねばりを調整するときに効果があります。未乾燥の絵具の除去、筆の洗浄にも使えます。油絵具に混ぜると極端に薄くなるので、とき油としての使用は適度にした方がよいでしょう。溶解力はターペンタインより弱くなっています。
亜麻の種子より採取した乾性油。乾燥は比較的早く、被膜は固くなります。乾燥後に黄変(油やけ)しますので白や淡い色に使用すると影響がでます。
特殊合成樹脂をペトロールで溶解したワニス。塗膜は通気性がないので、作品の絵具を有害ガス、大気中のゴミや汚れから作品を守ります。年月の経過で塗膜が汚れたら、ペトロールで塗膜を取り除き、塗り替えができます。
ダンマル樹脂をペトロールで溶解したワニス。制作途中のツヤのばらつきを直すために塗ります。通気性があるので、完全乾燥していない作品の画面保護用ワニスに利用できます。
コバルト、マンガンなどの金属塩を調合したシッカチフです。コバルト塩は乾燥促進力が最強で絵具の表面からドンドン乾燥させ、マンガン塩は表面と内部の両方から乾燥を促進します。ご使用の際は溶き油に対して30%以内混合し、油絵具に直接混合する時は10%以内にしてよく練りこんでください。褐色ですが、乾燥するにつれて色が淡くなるので、描いた直後と乾いたあとで微妙に色のトーンが変わります。配色バランスにご注意。
●6本入り亜鉛塩を主成分にした淡い色の乾燥促進剤。強力な乾燥促進力をもつコバルト塩とくらべて、亜鉛系はじわじわと、ゆっくり内部から均一に乾燥させていきます。そのため表面変化がまずおきにくく、色も淡いのでホワイトに使えて、乾燥前と乾燥後の色の変化も心配要らない。ご使用の際は溶き油に対しては30%、絵具にたいしては10%を良く練りこんでください。
けしの種子より採取した乾性油。油絵具の練り調子をやわらかくし、色をひろげやすくします。乾燥はやや遅く、被膜はやや柔らかくなります。乾燥後の黄変(油やけ)が少ないので、白や淡い色に使用できます。
乾燥促進に重点を置き、樹脂、スタンドオイル、ペトロールおよび乾燥促進剤を混合した、調合溶き油です。黄変もなく、定着力の強い丈夫な画面を作ります。また光沢のある塗膜が出来、色も深みのあるものができます。筆の伸びがよく、筆跡が残るのでグレーズ技法(薄く色を塗り重ねて行く)に最適。使用後はビンの口を良く拭いてください。固まると困ります。
長期にわたる作画の場合、画面上で古い部分と新しい部分でつやの差が出来てしまいます。それを修正するのに、ルツーセが使われます。 ルツーセは、ダンマル樹脂をペトロールで溶解したものです。同じ材質のものにパンドルがありますが、乾燥を早くし通気性をよくするためにルツーセのほうが樹脂量を少し控えています。 ルツーセは下塗り画面に塗りその上に仕上げ塗りが重なる結果になりますので、上下の絵具層をよく固着させる性格も持たせています。 柔らかい筆で画面全体に薄く塗り、二度三度と塗り重ねてつやを復元してください。部分的に塗ると色彩のバランスがとりにくいので全体に塗られることをお勧めします。ルツーセは霧吹きで吹き付ける事も出来ます。この場合、スプレー式ルツーセを使用しますと手軽です。
●ダンマル樹脂をペトロールで溶解し、よく濾過精製したものにポピーオイルを加えて描画用にしたつや出しワニス。透明性、粘り、乾燥を速め、つやをもたらし、絵具の固着をよくする。植物性溶き油と揮発性油に混合して、調合油を作るのに使われる。(ルソルバンやペンチングオイルを自製する)溶き油として単独で絵具に混ぜてもよい。