水彩画は、小学校から教材にも使われており、一番親しまれています。
使い方は簡単でも表現できる世界が広く、紙の質感や白色をそのまま活かしたり、
にじみや重ね塗りなどで味を出すなどのテクニックも多彩で、独特の発色表現ができます。
透明水彩と不透明水彩を併用することでさらに表現が広がります。
道具をそろえる
必要な道具と材料
透明水彩絵具
12色程度のセットがあります。描きながら欲しい色を追加していきましょう。 透明水彩と不透明水彩を併用するとさらに表現は広がります。 一般的なチューブの他に、携帯に便利な固形もあります。
画筆
最初は6号前後の丸筆を1本からでもいいでしょう。 水彩画は一般的に軟毛系の画筆を使用します。コリンスキーやイタチのように腰が強く、穂先を生かした筆と、リスなど柔らかく絵具の含みの良い筆を表現に応じて揃えましょう。
用紙
細目・中目・荒目など紙を変えるだけで異なった表現ができます。また、厚さが230g以上の紙の方が、水分を含んだときに反りにくいので、おすすめです。
鉛筆
用紙を傷めないためにH〜B程度の柔らかめの鉛筆がお勧めです。
練りゴム
鉛筆の線を弱めたり消したりするのに効果的です。あまり紙を擦りすぎると紙を傷めてしまうので気を付けましょう。
筆洗
筆を洗います。(コップなどでも代用できます。)
その他必要なもの
・サインペン(油性)
・ドローイングインク(耐水性)・筆洗・タオル(布)
・平台(画台)など
(・ぼろ布 ・ティッシュ・古新聞・前掛、エプロンなど)
水彩絵具取扱いメーカー一覧
水彩画制作手順
ここで紹介しているのは一例です。描き続けるうちに自分流の描き方をみつけてください。
モチーフを選ぶ
水彩は道具が少なく持ち運びが簡単なので、野外スケッチにも気軽に出かけられます。身近なものから描き始めましょう。
鉛筆でスケッチ
モチーフ全体を捉えながら画面の構成を考えましょう。
パレットに絵具を出す
絵具はパレットに同系色に並べて出すと、隣同士がまざっても濁らず、色が選びやすくなります。透明水彩は乾いても水でまた溶かして使えるので、作業途中での中断ができて便利で経済的です。携帯には固形が便利です。
下塗り
水彩画は画面のポイントとなる部分の暗い色から、たっぷり透明水彩で塗り始めます。 絵具はチューブの色をそのまま使わず、感じた色を作ります。塗る前に小さく切り分けた紙を準備し、試し塗りをして色を確かめた方がいいでしょう。
描き込み
細部を描き加えていきます。まず濃い目の部分を大雑把に描く→明るい部分は用紙の白を残す→ こまかな部分の濃い影をつけるという順番で全体のバランスを取り、全体にあたる光を表現します。
仕上げ
細部に色をのせて仕上げて行きます。色のバランスなどを見ながら、全体を整えて完成です。不透明水彩で強調したい部分を描いてもいいでしょう。
水彩筆の選び方
水彩画には軟毛系の画筆が向いています。描画中の色替えは水洗いで簡単にできますので、油絵のように多数の筆を必要とせず、2〜3本からでも描けます。ここでは馬毛+豚毛を紹介していますが、軟毛系の画筆には他にもたくさんの種類があるのでお好みのものを探してください。
水彩筆(馬毛+豚毛)
画筆の種類について
穂先の形
フラット
(平筆)
広い面を塗ったり、線を描いたり、筆の向きで表現が変えられます。
フィルバード
(丸平筆)
フラット型を使い込んだ形に最初から作ってあります。穂先の使い勝手が良く、初心者にもオススメです。
ブライト
(短峰型平筆)
平筆の短峰型。力強いタッチで描き込むのに適しています。
ラウンド
(丸筆)
細部の描き込みや細い線を描いたりできます。
ファン
(扇型筆)
絵具の含みが極度に少ないので、グラッシュ画法などに適します。また、筆だけで絵の表面をなでるように使ってボカシの効果も出せます。
刷毛
下塗りなどに適しています。
画筆の種類について
原毛の種類
豚毛
絵具の粘りに負けない弾力と耐久性があり代表的な油絵筆です。強いタッチで描けます。
ナイロン
弾力、穂先のまとまりがよく、量産できるので安価です。絵具の含み、弾力にやや欠けます。
コリンスキー毛
軟毛の最高級筆です。非常に高価なイタチ科の原毛でバネのような弾力があり、絵具の含みが良いのが特徴です。油絵、水彩、日本画に使用されます。
パーミティル毛
これも軟毛の代表的な筆です。イタチ科の原毛で、弾力があり、絵具の含みが良いのが特徴です。
セーブル毛
これも軟毛の代表的な筆です。イタチ科の原毛で、弾力があり、絵具の含みが良いのが特徴です。油絵、水彩、日本画に使用されます。
リス毛
柔らかく細い毛であまり弾力はありませんが、絵具の含みが良く、穂先もよくまとまります。油絵、水彩に使用されます。
オックス毛(牛耳毛)
雄牛の耳の毛で、絵具の含みがよく、弾力があります。やや軟調で油絵、水彩などに使用されます。
馬毛
最もポピュラーな筆の毛です。軟らかい毛質で油絵、水彩、日本画などに使用されます。
水彩紙について
紙の目による表現の違い
ヴィフアール水彩紙(旧コットマン)
荒目
ダイナミックな表現を狙ったり、ドライブラシ(水分を使わない)などに向いています。くぼみが大きく絵具が多くたまるので、色に深みが出ます。
荒目水彩紙
中目
使いやすい目の大きさです。表面のくぼみに絵具がたまり、すぐに乾かないので、にじみやぼかしも比較的簡単にできます。
中目水彩紙
細目
デリケートな表現に向いています。絵具の吸い込みが速く乾きやすいので、少し扱いが難しくなります。均一に塗るには予め紙の表面を湿らせておきます。
細目水彩紙
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